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「まだ」でもなく「もう」でもなく「また」の日

お休みの日。ひょんな事から図書館の本を返していない事に気が付く。返却日を、1週間勘違いしていた。返却期限から3日ほど過ぎていた。「まだ3日過ぎただけ、大丈夫…」私が呟くと、息子が「もう、3日も過ぎてるでしょ?」と言う。そうか、「まだ」ではなく「もう」だった…ルールを守って…とか子ども達に散々言い聞かせてきた割に、いつの間にか自分はこうしてルールを破っている。良くないな、感覚がずれてきている証拠だ。こう言う「ズレ」は早めに修正しないと大変な事になる。「3日しか」ではなく「3日も」だ。自分に言い聞かせながら、図書館までテクテク歩く。申し訳ない気持ちで本を返す。また、返すのを忘れそうなので、本は借りないで帰る事にした。

帰り道、お肉屋さんから良いにおいがした。もう、こんな時間。まだ夕飯の準備してないや。「まだ」と「もう」の感覚は修正済みだ。そろそろ、お腹を空かせた娘が帰って来る。私は唐揚げを買って帰る事にした。 片手に図書館用のトートバッグ、もう片方の手には唐揚げの入った袋。唐揚げの方の袋をぶんぶん振りながら帰る。家に戻り、唐揚げをお皿に並べていると娘が帰ってきた。「ただいま。あれ、また唐揚げ?今日の給食唐揚げだったよ。」娘は言う。「まだ」と「もう」の感覚は修正したけど、「また」の感覚までズレていたとは。意外だった。娘は唐揚げを手でつまみ美味しそうに食べる。それを見て、思わず笑ってしまった。どうやら「また」の感覚は修正しなくても良さそうだ…


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