窓クッキーのハナシ
茨城県日立市川尻町にひっそりと佇むおしゃれ度ゼロの喫茶店「詩穂音」のオーナー、コミネユウコです。ただいま開催中の展覧会SottoYorue「いつだってここに夜」に合わせて作ったクッキーの事 を綴りました。
今回の展覧会に合わせて作った窓クッキー。以前から展覧会に合わせたお菓子を作りたいと思っていた。だから今回、その思いが形に出来て本当に嬉しかった。画像をツイッターやフェイスブックに投稿すると反応が良かった。窓の部分の飴がキラキラしてキレイ写真映えするからかなぁ…なんて思っていた。でも、それが売れるのか?って言ったら話は別で、実はあまり売れないと思っていた…だから、最初に仕込んだ時にあまり作らなかった…
展覧会がはじまってすぐ、友だちの智子さんがふらっと現れた。窓クッキーを見るや否や「やだ!これ何?キレイなんだけど!凄い!ゆうこさん天才!!」と言いその場でクッキーをパリパリ食べた。おいしいおいしいとクッキーを頬張り、その場にあったクッキーをほとんど買っていってしまったのだ。 残りの窓クッキーも、次の日にあっさり売れてしてしまった。「へっ!?売れちゃったの?」私はマスターに言った。変な言い方かもしれないけど、売れないと思っていたから驚きでしかなかった。 「買いたかったのに〜」と残念がる人まで現れて、慌てて追加の窓クッキーを作る→売れる。へっ?再び慌てて作る。毎回、窓の形や色を変える。同じものは二度と生まれない。 SottoYorueの2人と相談して、2人の在廊日に窓クッキーを作る、ゆる〜いワークショップをやらせてもらう事にした。ワークショップは盛り上がりイロトリドリノヨルが生まれた。色んな発見もあった。 展覧会も後半戦に入り、窓クッキー人気もひと段落か…と思っていたら、第4弾も完売…毎回、数を少なく仕込んでいるせいもあるがそれにしても良く売れる…流石にもう売れないだろうと思い、仕込みを後回しにしていたら、窓クッキーは…?と残念がるお客さまが…そんな顔されたら焼かない訳には行かないと裏で黙々とクッキーを焼いていると「頑固職人みたいだね…」と、マスターに言われた。まさかこんなに何回も窓クッキーを焼く事になるとは思ってなかったので、毎回驚きながら窓を作る。窓作りもだいぶ慣れて来た。ワークショップに参加してくれた方の色合わせがとてもキレイだったので参考にした。自分ではやらない様な色合わせ…また、新しい夜が生まれる。 もともと窓クッキーはSottoYorueの2人の為に作った。クッキー好きの2人が喜んでくれれば良いなと言う持ちで作った。そんな窓クッキーは売れるか売れないかではなく、誰に食べて欲しいか…誰に喜んで欲しいか…が大事なんだと気付かせてくれた。その思いは伝わると言うことも。窓クッキーをお客さまが嬉しそうに手にしている姿を見て、窓クッキーを作って本当に良かったと思う。